これからは「個」の時代だと言われています。
ピラミッド型の会社や社会体制が徐々に崩壊していくのだそうです。今までは一部のトップ(社長など)がピラミッドの一番上に君臨し、そこから下にたくさんの人がつくという形でした。
しかし、これからは時代の流れが変わり、一人ひとりの個人が自分の得意な分野や好きな分野で独立し、活躍していくという時代になっていくのだそうです。「嵐」というアイドルグループのように、ニュースキャスターをやったり、村を作ったり(これはTOKIO?)、映画に出たり、絵を描いたり・・みんな個性を力に独立していますよね。それでいて、1つのグループとして活動もしますよね。
けれど・・・そもそも、日本の文化って、「集団」でしたよね?
日本文化と欧米の文化の一番の違いとは
日本文化の特徴は、「自分」が社会や地域、自然、家、国、神というものと「一体」でした。「所属」ですよね。
自然とも切り離せませんし、地域の一員としての自分、家族の一員として助け合う・・というのが当たり前だったのです。自分が真ん中にいて、すべてと関わっている。そこに守られていたのが日本だったのです。
一方、欧米は「個」という概念が強いです。それが戦後、日本に入ってきた。その結果、家族は家制度がなくなり、核家族化し、生活から「神」は離され、地域とも離れ、隣の人も誰かわからない、国からも切り離されるようになりました。
日本人は、今まで周りの環境に守られていたのですが、それがなくなった。孤立無援で死ぬ人も増えてきました。家族、地域は助け合うのが当たり前だったのが、「個」が優先されるようになったのです。
会社が守ってくれなくなってきた
同じように、「終身雇用」という名の元、日本の会社は従業員を守ってくれていたのです。会社に入れば一生安泰で、社員どおし仲良く、助け合いでやってきたのが日本の精神です。
戦後、「個」が日本に入ってきて、地域や家族から守られることは無かった。けど、生きてはいけたのです。なぜなら「会社」が金銭的にあなたを一生守ってくれていたからです。会社には、日本的な家族的な一面が残っていたのです。
その「会社」でさえ、もはやあなたを守ってくれません。政府も「副業をせよ」などと平気で言っている。この意味は、とてつもなく、大きいのです。
なぜなら、会社は、ある意味、戦後の「神社」だったとも言えるからです。
「社会」の意味は?
そもそも、社会の意味をご存知でしょうか?
「社会」とは、「社(やしろ)」で「会う」という意味だったのです。社、とは一般的に神社のことを指します。つまり、神社は共同体としての中心の場だったのです。
けど、今はどうでしょう。神社に集まるのはお祭りの時くらい。そのお祭りも、地域の人がみんな集まるのは一部の田舎くらいでしょう。
そのため、神社の役割をある意味で担っていたのは、「会社」だと私は思うのです。会社に集まり、守られ、核家族であっても、地域との関係が薄くとも、生きてこれたのです。
その会社も・・・「個」の時代と言われ、その役割を失いつつあるのです。
とても大きな意味がありますよね・・・あなたを守ってくれるものが、ついになくなったのです。
これからは、自分の強みを生かして、個人でサバイバルしなければいけないかもしれません。「自由」の裏には「厳しさ」も同居しています。
自由に属する場所を選べる
ちょっと恐ろしいことを書いてしまいましたが、逆に考えれば、好きに自分の好きなところに属せるとも言えます。自由度が増しているようになっているのです。
今はオンラインサロンなど、たくさんのグループができていますよね。ある意味、当然のことかもしれません。そのような、自分の好きなグループに属せるようになったというのも、進化といえるかもしれません。
「日本人」として、精神的に1つになれる場所が必要
そんな中。私たち日本人としての一体感。日本人としての忘れかけている「集団」としての精神性。助け合いの精神。
これらもどこかで残していかなければならないと思うのです。
「個」の時代になるのは、時代の流れでしょう。それによって、みんなが自分の好きなことをして、自立し、自分の幸福を追求できる良い時代になると思います。
けど、同時に、「自分が」「他人はどうでもいい」というように、精神的にも「個」になってしまうかもしれません。日本人が昔から持っていた、「助け合い」「困っている人には手を差し伸べる」「徳」のようなものまで、無くなってしまう気がするのです。
それを守るのが、神社の役割だと思います。
戦前のように、家族制度に戻れとか、地域との密着感を戻せなどと言っている人もいますが、それはムリだと思います。そんな時代ではありません。
ただ、「精神性」だけは守っていかなければならないのでは?と思います。
近所で年一回のお祭りがあった時や、神社に詣でたときは、「私たちの根底にあるのは、自然と一体で、人や、地域の中の一員として、支えあってきた民族である」ということを、意識し、神様に感謝していただければと思います。