不登校に悩む方は多いです。
親としても悩むことは多いと思います。無理にでも行かせるべきか・・無理しなくていいよ、といって休ませるか。無理に行かせて、追いつめられるかもしれない。休ませて、引きこもりになりかもしれない。
どっちの行動をとっても、不安。親としては、悩みますよね。いろんな人に相談したり、本を読んだりするかもしれません。
よく言われるのは、「学校に子供が行かないという世間体が怖いから、悩むのではないですか?」という言葉。確かにそれもあるかもしれませんが、世間体抜きにしても、子供が学校に行かない、というのは家族にとって大問題のハズです。
不登校の原因を見抜く
まず親が確認すべきことは、「そもそも、なぜ学校に行かなくなったのか?」ということです。
体育の授業が嫌だ・・給食を無理やり食べさせられて嫌になった。部活の顧問が怖い。いじめにあっている。・・・いろいろあります。え、そんなこと?と思うこともあります。
子供によっては、①魂的に大人で、学校というシステムが合わない・ひどいイジメや嫌がらせを受けている、ということもあります。もう一つは、②単なる「甘え、サボり」
この2パターンがあります。①学校のシステムが合わない、ひどいイジメ、であれば、子供を守るために学校へ行かない、という選択肢もあります。そういう場合、「学校に行かなくても、困らないよ」というアドバイスが成り立ちます。
もう一つの、②「甘えやサボり」。これは、「別に学校なんて行かなくても平気だよ」と同じように言っていいのでしょうか?
最近は、「無理をしない」「無理に学校なんて行かなくても大丈夫」という本がたくさんあります。それは否定しませんし、その通りだと思います。けれど、これは①の魂的に学校に適応できない。ひどいイジメにあっている。という場合に成り立つことだと思います。
②の場合なのに、「学校に無理に行かなくていい」という選択をする親もいるかもしれません。
つまり、子供の不登校は、①が原因なのか?②の「甘え」が原因なのか?そこをしっかり見抜く必要があります。
大人になって「困ったこと」になるのは、大抵の問題は②のパターンだと思います。
そのためには、心からコミュニケーションをとる必要があります。子供と向き合って、会話をする。そこを避けて他人に頼ってアドバイスをもらったり、本を読んでも、本当の意味で解決できません。
甘えはサボりに対して、「学校なんて行かなくていい」と言えるか
まず、②の甘えやサボりには「無理に行かなくていい」と言ってはいけないという理由を考えます。
乗り越える、という体験
一つの理由は、「学びの機会を奪っている」からです。学校の学びではありません。
その子は、体育が嫌い、給食が嫌だ、などの理由をつけて学校を休もうとしています。けれど、それは本人が乗り越える必要のあることかもしれません。そのチャンスを奪って、「学校なんて行かなくていい」という投げやりな態度を示すのは、子供に対して真剣ではないと言えるかもしれません。
世間の風潮として、「学校なんて無駄だよね」という考えが増えています。それはそうかもしれませんが、「別に学校なんて~」という投げやりのマインドは、どうでしょうか。
私もかつて、プールが嫌いな息子に対して、「別にプールなんてできなくたって平気だから、やらなくていいよ」と軽く言っていました。しかし、私の投げやりの態度は、子供にも「面倒なことはやらなくていい」という投げやりの態度となって伝染しました。
それに反省し、お風呂でシャンプーハットを使っていた息子に、私と妻は「シャンプーハット」をとることを目標にしました。当時小2です。
初めてシャンプーハットをとって頭からお湯をかけれた時の子供の顔は、忘れることができません。
他の子供にとっては、当たり前のことかもしれませんが、我が子にとっては大きなことでした。だんだん自信をつけて、顔がつけられるようになり、今は小4ですが、プールが嫌だとは一度も言っていません。
もし、あのまま、投げやりな態度のままだったら、、子供の「乗り越える」という体験を奪っていたでしょう。
もし、子供の不登校が「甘え」「サボり」であったら、原因を明らかにして、少し乗り越えるために頑張ってみる、という態度を示した方がいいと思います。
子供にとって、良いママになろうとしていないか?
これは、勉強熱心なママ、子供のころ、親が厳しくて、優等生で育ってきたママに多いのですが、子供にとって「良いママ」でいたい。「嫌われたくない」というマインドでいるパターンです。
このタイプの親は、子供に厳しいことが言えず、自立的のチャンスを奪ってしまいます。「良いママ」と思われたい、「嫌われたくない」という思いから、甘やかしすぎて、子供の本当の悩みに気づけなくなります。
自己啓発系の本を読んで、「学校は行かなくていい」という思い込みを持ってしまい、それを実行することが「良いママ」だと信じています。
「子供に嫌われたくない」ので、学校に行きなさい!と厳しく言えません。その結果、深く考えずに、「学校は行かなくてもいいよ~」と甘いことしか言えなくなります。
②の理由で不登校になり、甘やかせていたら、「引きこもり」になる可能性は大きいと思います。「引きこもり」も学びのプロセスかもしれませんが、魂の成長的にはどうなのでしょうか。
①のように、イジメ、学校に合わない・・というパターンで学校に行けなかった子供は、大学に行って豹変したり、大人になって専門分野で活躍する例を何人か見ています。
子供と、配偶者と、しっかりコミュニケーションをとって、寄り添う
では、どうすれば子供の原因を見抜き、問題を解決できるのでしょうか。
当たり前ですが、子供と心からの会話をすることです。「ママが、(パパが)、絶対助けになるから、味方だから、何があったか教えてほしい」との意思表示が必要です。
大抵それを抜きに「甘えずに行け!」と厳しくでたり、「行かなくていいのよ」と甘やかすかのどちらかになってしまいます。そしたら、子供は「自分の言うことなんて聞いてもらえない」と拗ねるばかりです。
問題の根源的なところを見ず、知ろうとせず、子供から引き出そうともせず、「こうあるべき」という観念。子育て本にある「無理に行かせない」などの言葉を鵜呑みにして、表面的な解決をはかる・・他人の意見ばかり求める・・何の解決にもなりませんよね。
他人に聞く前に、自分の子供に聞いてみましょう。