私が家庭教師をやっていた時の事・・・
家庭教師は、塾もついていけないタイプの生徒が多かったのですが、私が担当した生徒も例にもれず、お勉強はどうも苦手なタイプばかりでした。
私は教育関係の仕事をしていますが、基本的に義務教育が苦手。学校が苦手。勉強は好きな科目で突き抜ければいい。というスタンスです。
教職免許も、取ろうかと思ったときもありましたが、よく考えたら、義務教育や学校が苦手な人間が教員になれるはずもなく・・・流されて学校の先生になっていたら・・・ゾッとします。だからこそ、学校で教鞭をとっている先生方には頭が上がりません。
自分で言うのもなんですが、こんな人間だから、中高生は「先生」とあまり思わないらしく、適度に距離を取りつつ、いい関係を結べていました。
特別学級に移動しませんか?
そのような生徒と接していて、思ったのは、学校と言う場所は、少しでも周りと違うと、「障害」と決めつける。ということです。
ちょっと時間を守れない。少し座ってられない。落ち着きがない。勉強の進みが遅い。これだけで「学習障害」などと言われてしまいます。
私が教えていた生徒も、朝がどうしても起きれない。おねしょをする。ボーっとして周りと同じことができない。そのため、学校の先生は「特別学級」に行かないかと打診してきたわけです。
どういうわけか、昔先生の言うことを聞かなかったヤンキータイプの親に限って、大人になると学校の先生の言うことを信じてしまう。この生徒のお父さんも、昔悪かったと自分でも言っている強面タイプ。
けど、特別学級と聞いて、肩を落としていました。「やっぱり家の息子は特別学級なのかね・・・先生どう思う?」と言ってきました。
私は、無責任なことは言えないですし、学校の先生も何か理由があって言っているのだろう、と思いましたが・・・「個人的な意見ですが」と付け加えて、こう言いました。
「特別学級なんて、行かなくて良いと思いますよ。その特別学級が、特別な能力がある子のための教室なら話は別ですが」
一生自分は劣った人間だと思って生きて行くのか
家庭教師が安易にそんなことを言っていいのか?とお叱りを受けるかもしれません。しかし、白衣を着た専門家がいつも正しいとは限りません。私は意見を求められたので、自分の意見をお伝えさせて頂きました。
私が思ったのは、もしこの子が特別学級に移動したら、一生「自分は特別学級にいた」、という劣等感を持って生きて行かなければならない、ということです。
少なくても、日本にいる限り、「特別学級」は普通より劣った人が行くところ、という先入観があると思います。そのような劣等感を持ったまま、生きて行ってほしくない、とお父さんにお話ししました。
発達障害は「障害」か?
そもそも、発達障害は「障害」なのでしょうか?
人間の脳には、「大脳新皮質」と「大脳辺縁系」という部分に分かれています。
大脳新皮質は、いわゆる「社会性」をつかさどる部分です。電車に乗ったら静かにしている、とか、授業中は座っていなければならない、のようなことをコントロールする部分だそうです。
大脳辺縁系は、感性、情動、芸術、数字、意欲、記憶などをつかさどります。
発達障害は、大脳新皮質が弱く、大脳辺縁系が強い状態だそうです。
私が教えていた生徒は、「記憶」の部分が飛びぬけていました。中学生ですが、早稲田大学の歴史の問題を解けるくらいです・・・学校では歴史は教科書からの問題だけなので、「意味がない」かもしれませんが、突出した記憶力があるのは間違いありませんでした。
はたして、これが「障害」でしょうか?
そして、「意欲」もすごかったです。好きなことに関する本を読み漁っていて、トイレでも専門書を読んでいました。
じっと座っているだけで、やる気のない中学生がほとんどですよね。これが「障害」でしょうか?
学校では「座っていなければならない」という「常識」「観念」に凝り固まった世界です。これからの時代は、この「観念」が壊れてくると言われます。
これからの時代、大脳新皮質ばかりが強い人より、大脳辺縁系が突出した天才タイプの方が成功しやすくなると思いますが、どう思われますか?
天才はみんな発達障害だった
その証拠に、現代ビジネスで大成功している人たちは、みんな発達障害だと言われています。
Windowsのビル・ゲイツ、iPhoneなどのアップルを作ったスティーブ・ジョブズ…国内では楽天の三木谷浩史氏も発達障害の傾向があると明かしています。トム・クルーズは字が読めなかったというのは有名な話です。
そもそも、発達障害の人は、大脳新皮質が弱いため、意欲や感性が突出し、人の意見は関係ない!という具合で突っ走れるのです。
昔の偉人も同様です。
アインシュタインは字がダメで、「ろくな大人にならない」と先生に言われていたそうです。雑巾と布の区別がつかず、雑巾で顔を拭いていたとか・・
エジソンは問題児で3か月で小学校を退学。最終学歴、小学3か月(笑)
お母さんが自分で育て、研究道具を与えたそうです。
学校で迷惑をかけてしまう場合はどうするか
しかし、先ほども言ったと通り、日本の学校は「観念」と「常識」に凝り固まった世界。
天才には生きにくくて仕方のない場所です。走り回ったり、座ってられないと、怒られます。ストレスで他人に暴力を働くこともあります。
学校から毎日のように苦情の電話がくることもあります。
自分の子が発達障害だったら、そんなきれいごと言ってられるのか?と言われるかもしれません。学校だって、2,30人の生徒を一人の先生が見ています。走り回る生徒がいると大変なのもわかります。
確かに、本当の意味で、発達障害の子を持つ親の気持ちを理解するなんて、私にはできないかもしれません。
仕事をしながら子育てをし、学校からは「暴力をした」「騒いで迷惑だ」などと毎日電話がくるお母さんもいらっしゃるかもしれません。
自分の子は発達障害だからと、負い目を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
私から言えるのは、自分ひとりで抱え込まないでほしい、ということです。自分で抱え込み、誰にも助けを求めることができず、最悪の結末になる人もいます。
「助けて」というのは悪いことではありません。私たちは義務教育で、「自分の事は自分で何とかしろ」「他人の助けばかり求めるな」と洗脳されています。優しい人たちはいます。相談だけでもして見てください。
地域にある「発達障害支援センター」のような施設に助けを求めることもできます。参考:相談窓口一覧
人は「出会い」で変わります。学校でうまくいかなくても、出会い1つで人は変われます。塾かもしれませんし、家庭教師かもしれません。
学校だけに頼らず、そのような民間の教育機関で、信頼のできる先生、人生を変えてくれる先生に出会うことだってあるかもしれません。
他人に頼って生きるのも、大切だと思います。