「最近の子はおかしい」教育現場でもよく聞かれる話です。小学生の先生をしている知り合いが多いので、よくそんな話を聞きます。
他人の気持ちがわからない、偏ったエリート意識・・・
他人を見下す子供たち
息子の話ですが・・・最近サッカー部に入ったんです。
今、小4なのですが、一つ下の小3がすごいそうなのです。
「てめーは下手なんだからボール持ったらすぐボールをよこせよ」とか、他人がボール取られたのに、「下手くそのせいだ」とか、、暴言を吐いてくるのだそうです。初心者の年上の子に対して、「下手くそ~」とか毎回言ってくるそうです。シュート練習で並んでいて、やっともうすぐ自分の番だ‥という時に、もってたサッカーボールを蹴られて、取りに行ったら、一番後ろに並べと言わる・・・
これって、普通のことなのでしょうか。普通だというなら、ちょっと悲しいですよね。
スポーツで何を教えるのか
もしかしたら、大人がしっかりした教育ができなくなっているのかもしれません。
「あんたはどうなの?」と言わると、私も、もしかしたらできていないかもしれませんが・・
けど、スポーツって、うまくなるとか、試合に勝つのも大切かもしれませんが、もっと大事なことがありますよね。
日本には、礼に始まり、礼に終わる、という言葉があります。
勝ったものは、負けた人を教え導いて、負けた人は勝った人に教えてもらい、学ぶ。
いつの間にか、日本人からこういう精神性が失われたのかもしれません。とにかく勝て、とか、人より上にいけ、という価値観が蔓延しているかもしれません。
子供がバカにされたり、いじめられたら、どんな言葉をかけるか・・
それでは、実際に自分の子供がこのような悪態をついてくる子供に的をかけられ、攻撃されている・・・肩を落とす我が子にどうやって言葉をかければいいのだろう‥と思いますよね。
もっと練習して、見返してやれ!・・・これは私の世代が子供のころよく言われたセリフかもしれません。
言い返せ!というのも、ちょっと過激ですが、ありがちですね。舐められてはいけない、という意味では、言い返すのも必ずしも悪いとは思いません。
私が思うのは・・・
「つらい思いをして、すごい嫌だったね・・・けど、この経験で、人の痛みがわかる人になれると思う。これから、同じように嫌な思いをしている人の気持ちが、とてもわかるようになるよ」「言っている人たちは、ずっと人の気持ちがわからないまま大人になっていくんだよ。」「言われた人の方が、人の気持ちがわかるから人にやさしくなれるし、強くなれる」「有名人も、元いじめられっ子ばかり。いじめっ子で人気者になっている人は見たことがないよ」
といったことを伝えました。お父さん、お母さんも、過去に嫌だった思いでがありますよね。やたら先生に怒られたとか、いじめに会ったとか・・けど、その経験のおかげで、自分は他人に攻撃的な言葉を使うのはやめようとか、感情的に怒る大人にはならない、と思えたりしますよね。
人に寄り添える子供をそだてよう
仏教には「慈悲」という言葉があります。
「あたかも、母が己が独り子を命を賭けて護るように、そのように一切の生きとし生れるものどもに対しても、無量の(慈しみの)意を起すべし」(スッタニパータ)
母親が自分の子供を守るように、すべての生きるものを慈しみなさい。という教えがあります。
学校には期待できるかわかりませんが、家庭では「神道」「仏教」などの教えを教育する場所にすることができます。
子供にどうやって教育していいかわからない、という親御さんは多いと思います。私も、子育ては失敗ばかりです。
だか
らこそ、神道や仏教の教えが参考になります。
「慈悲」の「悲」とは
なぜ、慈悲という言葉には「悲しみ」という文字が含まれているのか・・・
それは、「人の悲しみに寄り添ってあげる」という意味もあるのだとか。
人の悲しみに寄り添えるのは、自分の中にも同じ悲しみを抱えているからです。
友達との関係でつらい思いをした・・・その辛さから目を背けたり封印したりせず、じっくり悲しみ味わい、一緒に涙を流し、自分に寄り添う・・子供が自分の悲しみを自分で寄り添って、人間としての深みを増し、同じように苦しむ人に寄り添える人になる・・その助けをするのも、親の役割かもしれない・・なんて思ったりしています。
武田鉄矢さんの歌でも、「人は悲しみが多いほど~人には優しくできるのだか~ら~」
という歌詞がありますよね。
子供がいじめられたり、馬鹿にされる。という親御様にご参考になれば幸いです。