私は神社の神職という一面もあります。
いろいろな参拝者とお会いしますが、やはり、「ご利益」を気にする方はとても多いです。「パワースポット」という言葉が少し前に流行りましたから、その影響もあるのでしょう。
神主さんの知り合いももちろん多いですので、いろんな話を聞きます。例えば「高校入試の合格祈願をやったんだが、高校に落ちたと文句を言われた・・」のようなことです。
皆様、どう思われますか?私が思うに、高校に落ちた結果、第2志望の高校に行った。そこで一生の友、恩師に出会えるのかもしれない。それを見越しての神様の愛なのでは?と思います。
そもそも・・意地悪な言い方になってしまいますが、日ごろ神社に行ったこともないような親子が、受験前だけ神社に出てきて、「合格させてください!!」なんてお願いされて、神様はどう思うでしょうか・・
いろいろ見ていますが、どうやら、神社でのお参りの仕方で、人生がうまくいく人、変わらない人にわかれるようです。
神社での祈りは「意を宣る」
日本人は、ご利益主義のようなところがあるので、神社はお願いするところと思われている方が多いと思います。
しかし、例えば「恋人がほしい」「お金が欲しい」というお願いをしたとします。
その願いの波動はどうでしょうか。「恋人がほしい」→「恋人がいない今に不満があります」 「お金が欲しい」→「お金が足りない今に不満があります」
このように、お願いをする背景には「現状への不満」が出てくるのです。それは、神様の前で不平不満を言っているようなものです。
では、どうすればいいのですか?というと、意思を宣言するのです。
もともと、祈りという言葉は「意(い)宣(の)り」という意味だそうです。意志を宣言するのが「祈り」なのです。
「恋人を作ります。」(そのために自分を磨く努力をします)「お金を稼ぎます」(そのためにしっかり行動します)という感じです。
入試だったら、「○○大学に合格します」(そのために勉強します)のような祈りです。
もちろん、人間ですので、お願いしたくなることもありますよね。その場合は世界の平和、などのように、自分の事よりも世の中がよくなるようなお願いの方が良いです 神様はあなたの個人的なお願いはお見通しです。
基本的なことですが、神社は「感謝」をする場所です。お願いする前に、「参拝させていただき、ありがとうございます」という感謝の気持ちをわすれないようにしましょう。どうしても個人的なお願いをする場合は、1つにした方が良いようです。
まとめると・・・
①自分の意思を宣言する ②感謝を伝える ③お願いは1つ ④世のため、世界のためになる願い事をする
神様にお願いできるタイミング
ちなみに、神様に「お願い」できるタイミングというのもあります。
それは、「玉ぐし奉奠(ほうてん)」です。榊(さかき)という枝のついた葉っぱのようなものに、白いひらひらの紙のようなもの(紙垂̪シデ)が付いたものを神前に捧げるのを見たことや、実際にやったことがある人もいるかと思います。家を建てる時の地鎮祭などでやったことのある方もいると思います。
この「玉ぐし」というのは祈念をこめるものですので、神様にお願いできるタイミングだと私個人的には思っています。(諸説あると思いますので、あくまで個人的な意見です)
神様に応援される人になる「意に乗る」
さきほど、祈りは「意(い)宣(の)り」と書きました。私はもう一つの意味があると思います。
それは「意に乗る」。つまり、神様の「意」に「乗る」ということです。
神様の「意志」とは何でしょうか。それは、古事記を読めばわかります。
今回は古事記の話ではないので、詳しく書きませんが、古事記は日本の作りと、神様の壮大な物語です。日本は災害が多いので、神様は恐ろしい存在だと思われることもありますが、日本の神様は私たちのような人間らしさもあったり、失敗したり、、それを乗り越えて「日本」という国を作ってくださった存在であることがわかります。
わかりやすく古事記を学ぶ本もあります。
「修理固成」という言葉があります。「この漂える国を、理を修し固め成せとのたまいひ......」古事記にある言葉ですが、まだ天と地ができただけのとき、天の神々がイザナギとイザナミに言った言葉です。「この漂っている国を、固め成しなさい・・」
まだ形のない世の中、ドロドロしている世の中を、「つくり固めなさい」というのが、神様の意思です。「世の中をよくしなさい」とも取れますよね。
人にはそれぞれ使命があります。
修理固成のために、私の身体を使ってください!というような祈り(意乗り)こそ、自分の使命を達成できる祈りではないでしょうか。
「世の中をよくするための自分の使命」家庭の主婦だったら、自分の作ったお弁当を食べた子供や夫が、世界のために、活躍してくれる。というのも立派な使命です。学生でも、今学び、医学で世の中に貢献したい。などのように使命を持つことができます。
神社でお参りをする機会があったら、個人的なお願いではなく、世の中をよくします!という視点でお参りすると、思いもよらない結果がでるようです。
パワースポットの注意点
最後に、パワースポットと言う場所がありますが、注意していただきたいこともあります。
さきほど書いたように、「個人的なお願い」「我欲」を持った人がたくさんあつまるのがパワースポットです。
そのような低い波動が集まっている、ということも覚えておく必要があります。
「個人的なお願い」(我欲)をたくさん神様にお願いすると、神様は受け取れない場合があります。その場合、たくさんの低い波動(我欲)が落ちている可能性があります。雨などで浄化されていればいいのですが、そのまま残っている場合もあります。
もし、あなたが個人的な欲を持ったお願いをしに行くと、そのような残留している低い波動と同調してしまい、持って帰ってしまうこともあります。
せっかくの参拝が、逆効果に・・・なんてこともあります。
是非、今回のことを思い出し、愛と感謝、世界のために使命を発揮します!という高い波動で神社参拝をしましょう。