若手神職の私が「神道政治連盟」について少し書かせて頂きます。
言いづらいところではあるのですが、こういう考えの神職もいるんだな、と参考になさっていただければ幸いです。
始めに断っておきますが、私は神政連を否定しているわけではありませんし、戦いたいわけでもありません。
神道政治連盟とは
あまり知られていないかもしれませんが、神道政治連盟(神政連)という団体が存在します。神社本庁を母体にした団体なのです。神政連のHPによると「神道政治連盟(略称・神政連)は、世界に誇る日本の文化・ 伝統を後世に正しく伝えることを目的に、昭和44年に結成された団体です。」と書いてあります。具体的には新憲法の制定、靖国神社での国家儀礼の確立、道徳・宗教教育の推進、夫婦別姓制度の危険性主張、皇室の尊厳護持などの運動をしています。(Wikipediaより)
政治団体とはいえ、神社会からは候補者を出しているかというと、出していません。では何をしている?というと、自民党の応援です。
総代という、神社を多方面から支えてくださる方々や、氏子(神社の地域に住む方々)に対して、投票のお願いをしたりしているわけです。
ちなみに、神社本庁下の神職はほぼ強制的に加入です。地域によって違うかもしれませんが、同調圧力が凄い業界ですので、ほぼほぼ暗黙の了解で加入です。憲法改正反対、なんていうもんなら村八分です。(笑)
ざっくりですが、神政連の説明でした。
冒頭に書きましたが、否定するつもりはありませんし、信念をもって活動されているのでしょうから、私がどうこう言うことではありません。
ただ、私は形だけ加入していますが、何か積極的に活動するつもりはありませんし、○○候補者を応援!!といっていても、○○さんに投票する気もありません。誰を応援するかは個人の自由だと思っています。それを否定するのであれば、それが「美しい国」なんですか?と問いたいわけです。どんな団体であれ、国であれ、会社であれ、個人の思想の自由は侵されてはいけないのではないでしょうか。
神主としての私の視点 宗教の在り方
ここからは私の個人的意見です
同じ志を持つ候補者を応援するのは普通のことですし、悪いこととも思いません。
ただ、「某国が攻めてきた時のために、反撃できる国でなければならない!」そのためには憲法改正だ!という声が一部の神職から聞こえるのはいかがなものでしょうか?一部と書きましたが、動画付きでプレゼンされていました。それはまっとうな意見んであると思いますし、そのように考えるのも愛国心であるとは理解できます。
ただ、宗教家の言うことなのだろうか?という疑問が残ります。
神道の基本は「八百万(やおよろず)の神」です。つまり、すべてのものに神が宿る。量子力学でいえば、ゼロポイントフィールド、サムシンググレートの世界です。
(私たちの体を小さ~く見ていくと、原子・・分子・・・素粒子・・・最後には何もない世界があるそうです。そこが神の世界。そこにスゴイエネルギーがあって、私たちの体を作り、涙を作り、排泄物を作り、汗をかかせ、奇跡のような体の動きを実現しています。)
みんなが神様なら、目の前の人も、あの嫌いなひとも、みんな神様。もともとの存在は同じ。
統合の時代へ
つまり、私たち一人ひとりは神様から魂を分けて頂いた存在。私も、あなたも、みんな神さまと言えます。
そして、体ではなく、体の細か~い部分、先ほど書いた「神様の場所」では、人と人の垣根やカベは無く、「私はあなた、あなたは私」なんです。
わかりやすく言うと、日本人、中国人、韓国人・・・分けて考えるのは簡単。けど、大きく見れば「同じ人間」。人間とライオン、植物、分けるのは簡単ですが、同じ生命。
それが、八百万(やおよろず)の神の考え方ではないでしょうか?
時代は統合へと向かっています。競争、争い、所有、、それが、愛、ワンネス、統合、、へと時代は変わっています。神職もそこに気づくべきです。
和を貴ぶ国
もう一つ、日本は和の国です。
つまり、これこそ、みんな1つ。というワンネスの世界です。八百万の神=みんな神=みんな1つ=ワンネス それが和を貴ぶの意味だと理解しています。
祈りの力
最後に、天皇陛下は国民の安寧と世界の平和を日々お祈りになられています。
これこそ、神職のあるべき姿だと私は思っています。武力に武力で返そうとするのではなく、平和を祈る。その祈りの力こそ、神職が力を入れるべきことだと考えます。
日々、ただひたすら祈ること。この力が世界をよくする。この団体からそのような思想が聞こえないのが残念でなりません。
まとめ
と、すれば、「某国が攻めてきた時のために、反撃できる国でなければならない!」
これが神職の言うことではないことがわかると思います。むしろ、世界に神道の思想を広げて世界平和に貢献すべきだ、と私は考えます。
「そんなの、理想論であって、平和ボケだ!」と言われると思います。
けれど、ジョンレノンがいうように・・・「私を夢想家というかもしれない、けれど、私は一人でないはずだ。あるときあなたが私たちに加わり、世界が1つになるだとう・・・」