前回、潜在意識の覚醒方法について書きましたが、その中でも最も強力な方法・・「ミラーワーク」についてご紹介しました。この方法は、何度も声にだして潜在意識に願望を刷り込んでいく「アファメーション」よりも、さらに強力だと言われています。
潜在意識を覚醒させる秘密のテクニック
潜在意識という言葉は、自己啓発や成功哲学が好きな人なら一度は聞いたことがある単語だとおもいます。 心理学の世界では、20世紀最大の発見、と言われ、オーストリアの精神医学者であるフロイトによって発見され ...
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このミラーワークは、簡単に言うと、毎日鏡の中の自分に向かって、「自分が理想とする状態」を口に出して言えばいいだけです。
毎日鏡の中の自分に向かって、「自分が理想とする状態」を口に出して言えばいいだけです。
実は、この「ミラーワーク」ですが、同じような行法が古神道にもあります。
行法を説明する前に、古神道について、少し解説します。
古神道と神道の違い
「古神道」というのは、一般的に、縄文時代などの古代の日本人が持っていた信仰の事を言います。仏教伝来以前の、元々の神道ともいうものです。「自然崇拝」という言葉も聞いたことがある人は多いと思います。木、山、など、自然の中に神を見ていました。だから、人間も神様である、という信仰があったと言われています。だから、縄文時代には争いが無かったとも言われますね。岩や木に神をみる、古代の日本人の心の豊かさを感じますよね。
現在の「神社神道」とは違うものとされていますが、神社神道も、もともとは古神道の流れを汲んでいます。しかし、現在の神道は、キリスト教や仏教、道教、ユダヤ教などの影響を受けています。さらに、明治政府が外国のように一神教(一人の神様がいる宗教)にしようと思い、天皇を頂点にして神道を国教にしようとしました。それが国家神道になり、宗教性が排除された経緯もありますので、古神道と少し変わっています。
古神道は、何の影響も受けていない、とてもピュアな神道とも言えますね。
古神道に戻る
このように、古神道、というのは、日本本来の神道であるとも言えます。神道家の中には、古神道に神道の神髄のようなものを見る方も多く、研究されている方もすくなくありません。
今の神道も「自然崇拝」は基本ですが、神様にご利益を求めるご利益教のようになっていると感じる方も多いかもしれません。今この時代だからこそ、古神道にもう一度注目しようという方も増えてきています。
注目される伯家神道
その古神道を蘇らせる存在として、注目されているのが伯家神道(はつけしんとう)です。
この伯家神道、知れば知るほどスゴイです・・簡単に説明すると、明治時代まで約800年!代々続いてきた古神道です。
この伯家神道ですが、宮中祭祀といって、天皇の祭祀をしてきた家柄なのです。なので、天皇のみが知っている行法です。そして、明治時代以降、伯家が廃止しましたので、ほとんど知られることはありませんでした。
そんな秘伝の行法こそ、今回ご紹介する方法です。
御鏡御拝とは
伯家神道の行法は「自霊拝」と「鎮魂」の2通りと言われています。「鎮魂」というのは、魂を鎮めることです。これは「呼吸法」に関連しているので、別の記事に書きます。
「自霊拝」というのは、「御鏡御拝(みかがみぎょはい)の法」と言われています。もともとは、天皇のみが許された行です。
どんなことをするかと言うと、「鏡に映っている自分の姿に向かって、拍手をして、拝礼する・・・」という行です。
一見簡単なようなやり方ですが、実はとても深~い意味があります。
アマテラス大神と鏡
自分に向かって拝礼する、という事は、自分を神として拝する、という事ですね。
何度かブログでも書いていますが、もともと私たちは「神様の分け御霊」を頂いている存在です。つまり、私たちは神様から魂を分けて頂いた存在だという事です。私たちは神的存在なんですね。
これは、天照大神も仰っていることです。
「鏡」は神道においては、とても重要なものです。神社に行くと、必ずと言っていいほど、鏡がありますよね。天照大神が孫に日本の国造りを委ねるときに、鏡を授けました。
なんで鏡!?というと、天照大御神は鏡を渡すときに「この鏡を私と同じように祀り、この鏡に自らの姿を写し、そこに「我」が写ったなら取り払いなさい」と言ったのです。
「かがみ」の文字の、真ん中の「が」を抜くと、「かみ(神)」になりますね。「が」とは、「我」です。自分が!自分が!という「我」です。英語で言うと、「エゴ」です。それを取り除けば、神になれるよ、とおっしゃっているわけですね。
御鏡御拝の目的
このように、歴代の天皇も、鏡の前で自分に対して礼拝することで、天照大神と一体化している、ということです。
現人神(あらひとがみ)になる行、というスゴイ行ですね。まさに天皇行といわれる所以です。
もちろん、私たちも同じようにすることができます。
その時の条件は、魂をキレイにしておかなければならない、という点です。先ほど書いたように、「エゴ」「我」を抜いた状態で鏡の前に立たなければ、天照大神と一体化するのは難しいというわけです。
鏡の前で自分に拝礼すればいい、というお気軽なわけでもなく、その境地に近づくために日々人格を高めるのが、私たちの毎日の修行なのかもしれませんね。
この秘儀、お試しになられてはいかがでしょうか。
古神道には修行法(といっても、キツイものではないのですが)もあるので、その修行法は別にまた書きます。
ミラーワークと御鏡御拝
さて、今更ミラーワークに話を戻しますが、「鏡」の持つ神道の神秘性に気づきますよね。
そう考えると、どんな願望でも実現する、という「ミラーワーク」も、御鏡御拝の庶民版のような気もしてきます。
実際、鏡に向かって2礼2拍手をするのはハードルが高いですが、自分の理想とする姿を口に出す、というのは簡単にできますよね。
中村天風さんをはじめ、数々の成功者が鏡に向かって理想の姿を口に出しているそうです。
今回は、天皇家だけに伝わっていた秘儀、御鏡御拝についてご紹介しました。興味のある方は、自己責任でお試しください。日本人はずっと「鏡」に神を見ていました。その鏡をつかって潜在意識を覚醒させる「ミラーワーク」も、お試しになれれてはいかがでしょうか?